一般社団法人 大船渡青年会議所 2021年度 スローガン
大船渡から世界へ
2021年度理事長 中野圭

新型ウイルスのパンデミックは社会のルールを大きく変えた。新しい生活様式が台頭し、県境や国境で移動が自粛要請され、物理的な行き来が分断される一方で、オンラインコミ
ュニケーションが注目され距離空間を超越したリモート下での生き方が始まっている。
パンデミックがあろうとなかろうと歴史上社会は変化し続けてきた。昨今の劇的な変化に、人は対応できているか、まちは対応できているか、この組織は対応できているか。今だか
ら変わるのではない、常に変化し続ける覚悟を持ち、このまちがさらによくなるように、誰もゴールを用意していない、誰にも見えない道を、歩いていこう。

国際社会「世界は一つ、できることをする」
世界は変化している。世界の中に日本はあり、大船渡がある。土地は誰のものか、富は誰のものか、争いは地上から絶えず、国という括りが存在することの裏目に数えきれない犠
牲を今なお伴ってきた、その傍らで私たちが平和を謳歌している。まずは自分たちが置かれているこの地球上の出来事を理解しよう。紛争や貧困、目を覆いたくなるようなこの世
の現実を直視し、肌で感じ、自分たちに出来ることをする。いま我々が享受している平和は、世界のごく一部のこと。遠く離れた空でこの瞬間も戦争が行われ、血と涙を流してい
る人が溢れている。固定観念は捨て、自らの倫理観に自信を持ち、困っている人の助けになることを全力でなす。その根源に理由付けは不要である。今だからこそ、境を超えてい
こう。

災害支援「何かあれば駆けつける」
社会変化における不確定要素の大きなテーマである災害。災害はいつどこでやってくるか分からない。このまちも幾度も壊滅的な被害を受けながらその上に地域をつくってきた。
毎年のように国内で頻発する豪雨災害、地震被害をはじめ、世界中で多種多様な災いが起こり続けている。私たちが経験した東日本大震災からの復興は、全国、全世界の温かい支
援があったからこそであるし、その支援は人の縁を育み、その縁が人を成長させ、一人ひとりの成長が社会を強くしていく。いつ起こるかわからない災害危機とそれに伴う社会構
造の変化に柔軟に対応し、即時的にできることから長期的にできることを見据え、とにかく今行動しよう。

ビジネス推進「JC ネットワークをビジネスチャンスに」
仕事か、家庭か、JC か。一昔前までそんな対立軸が掲げられ、JC 至上主義という言葉さえ作られていた。でもそれは今この時代にあって、明確に否定する。力を尽くして仕事を
しよう。JC はツールに過ぎない。ここに集うメンバーが、人生をかけて取り組んでいる仕事を、この JC を活用していかに拡げられるか、徹底的に追求していこう。確実に、JC を
ビジネスチャンスにつなげられるように、JC をやったから仕事が成功するように。経営の重大要素であるネットワークを、JC の最強の魅力であるネットワークを、確実に結び付け
ビジネスを加速させよう。地域社会の発展は、地に根差したビジネスのたくましさと密接に関わっているから。

組織変革「入りたい組織であり続けるために」
最良な組織のかたちは常に変化を追求するものである。今、変化すべきことがない組織は健全ではない。だからこそ積極的に変えていく。まずは組織がその活動効果を最大化する
ために必要なメンバー数を考えよう。増やす必要があれば、どうしたら入りたいと思える組織になるか、活動を続けて行きたいと思える組織になるのか。根本的な部分を徹底的に
考え、実践すべき変革は、スピード感を重視して変化させることに力を注ぐ。この人数で委員会担当にこだわった縦割り組織は機能しない、全員が全てのプロセスに関わる興味を
持ち、同時に意思決定は一瞬で行う。人材の流出は魅力がないことに起因することを受け入れ、本物の楽しさを実現できる仲間とともに、今の組織を変えていこう。

コミュニケーション「誰に伝えるのかが一番大事」
コミュニケーションは人と人との接点を生み出し、そのツールも変化と進化を繰り返している。ターゲットが不明瞭な情報発信は伝わることがなく、伝わることがなければ存在し
ないことと同じである。ターゲットを一人まで絞ったコミュニケーションにこそ情報の命が宿り、人を動かすところまで伝わっていく。コミュニケーションの目的は人を動かすこ
と。JC は誰をどこに動かすために、何の情報をどのように伝えていくのか。詳細すぎるほどに考えを深め、効果的な情報発信を模索し、実践しよう。JC に対する市民一人ひとりの
認知を、どうしたらもっと上げられるか。JC には誰がいて、何をしているのか。大船渡 JCって、盛り上がっているなと認知してもらえるように、今よりもっと知ってもらい、接点
を生み出していこう。

連携推進「何をやるかより、誰とやるか」
SDGsのラストゴールナンバーに掲げられるパートナーシップは、変化を繰り返し複雑化する課題や多様化する価値観に対して、限られた資源で最大の効果を発揮することを目指
している。ともすれば JC はその意思決定プロセスや財源構成から、独立した着眼点で先鋭した企画を実現してきた一方で、他団体とのパートナーシップとコラボレーションを苦手
としてきた。今こそ、積極的にセクターを越えた活動を実践していこう。手前味噌の都合と自己満足では人もまちも変わらない。今こそ連携を生み出し、当事者意識をもってひと
のことにあたり、ひともまちも変えられる本物のパワーを養っていこう。

さいごに「過去にとらわれるな」
先輩諸兄が繋いできたものを、次に繋ぐ責務があると、教えられて JC 生活を歩んできた。
ではその繋いできたものとは何か。それは一つしかない。組織構成や運営方法や一連の伝統などではなく、大船渡を、この世界を、もっと良くしたいという想い、その一つである。
その想いを強く受け止め、実行していくプロセスに必要なのは、一見相反するかのような「過去に囚われてはいけない」という気概である。想いをしっかりつなぐために、変える。
歴史は今の積み重ねで、今が次の瞬間過去になり、今の、その先にしか未来はない。だからこそ過去を思いながらも、ただ過去の延長線上だけに理想的な未来を切り拓くことはで
きないのだから、今をひとつずつ次のために変えていく。
そして変える術は一つ、このまちから大海を、広い世界を見ること。閉じこもらず、小さくまとまらず、凝り固まらず。井の中の蛙大海を知らず。
世間知らずを揶揄することわざとして一般的なこの言葉には、後半の一節に意味が込められている。
井の中の蛙大海を知らず、されど天を知る。
狭い井戸の中にいても、例えそこから出ることが出来ない環境にいても、空を仰げば、大海につながる天を見据えることができる。
この世界の片隅、極東日本の小さな港町大船渡から、天を知ることもできる。幸いなことにそれだけではなく、大海に出ることもできる。一度しかない人生、自分の可能性を無限
に拡げ、天を仰ぎ大海に漕ぎ出していけ。
私たちは何物にもなることができる。
この大船渡から世界に踏み出そう。